この記事でわかること
- シフト管理と勤怠管理の違い
- 一元化すると改善できる業務
- シフト・勤怠管理で必要な7つの機能
- シフト予定と勤務実績を比較する方法
- 給与計算・会計ソフトとの連携方法
- 労働時間管理で注意したい法令上のポイント
- 既製サービスとオーダーメイド開発の選び方
MAVERA COLUMN
業務効率化
シフト管理と勤怠管理を一元化する方法を、飲食店・複数店舗を運営する企業向けに解説します。シフト作成、出退勤の打刻、予定と実績の比較、給与計算、会計ソフトへのデータ連携まで、業務を効率化するための7つのポイントを紹介。既製サービスとオーダーメイドシステムの選び方も解説します。
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「シフトはExcelで作成している」
「出勤・退勤はタイムカードで管理している」
「月末になると勤怠データを給与計算ソフトへ入力している」
飲食店や小売店など、スタッフが交代制で勤務する企業では、このような管理方法が使われていることがあります。
それぞれの業務は問題なく動いていても、月末になると、
といった作業が発生します。
複数店舗を運営している場合は、店舗ごとに同じ作業が必要になることもあります。
こうした業務を改善する方法の一つが、シフト管理と勤怠管理の一元化です。
ただし、単にシフト表とタイムカードをデジタル化するだけでは、十分な改善につながらない場合があります。
重要なのは、シフト作成から勤務実績の確認、給与計算に必要なデータの確定までを、一つの業務の流れとして整理することです。
この記事では、シフト管理と勤怠管理の違いから、一元化する方法、必要な機能、給与・会計システムとの連携まで解説します。
シフト管理と勤怠管理は、似ているようで目的が異なります。
シフト管理では、スタッフがいつ、どの店舗で勤務する予定なのかを管理します。
たとえば、
などです。
シフト管理の目的は、営業に必要な人員を配置し、勤務予定を明確にすることです。
一方、勤怠管理では、スタッフが実際にいつ働いたのかを記録します。
主な管理項目は、
などです。
勤怠管理の目的は、実際の労働時間や勤務状況を適切に把握することです。
たとえば、次のようなケースを考えます。
勤務予定
17:00〜22:00
実際の勤務
17:00〜22:30
この場合、予定より30分長く勤務しています。
ただし、この30分が法律上の時間外労働に該当するかどうかは、その日の実労働時間や週の労働時間、適用される労働時間制度などによって異なります。
また、休憩時間があれば、その扱いも確認する必要があります。
つまり、
シフト表に記載された時間を、そのまま給与計算に使用してはいけない場合がある
ということです。
勤務予定と実際の労働時間を区別することが、一元管理の基本になります。
一元化とは、シフト作成と勤怠記録を別々に管理するのではなく、同じスタッフ情報をもとに連携させることです。
たとえば、現在の業務が次のようになっているとします。
店長がExcelでシフト作成
↓
LINEでスタッフへ共有
↓
スタッフがタイムカードで打刻
↓
月末に店長が勤務時間を集計
↓
給与担当者が給与計算ソフトへ入力
↓
給与計算結果を確認
この場合、シフト表、タイムカード、給与計算ソフトの間で確認や転記が発生します。
システムでシフト作成
↓
シフト確定・スタッフへ共有
↓
スタッフが出勤・退勤を打刻
↓
勤務予定と実績を自動で比較
↓
打刻漏れ・勤務時間を確認
↓
勤怠データを確定
↓
給与計算システムへ連携
このように、同じ情報を繰り返し入力しなくてもよい仕組みを検討できます。
ただし、一元化したからといって、すべての確認作業が不要になるわけではありません。
打刻漏れや休憩時間の誤りなどは、必要に応じて担当者が確認する必要があります。
シフトと勤怠を連携させることで、転記や集計を減らすことはできます。
しかし、実際の勤務状況が正しく記録されているかを確認する工程は重要です。
入力を減らしながら、必要な確認を行いやすくすることが、実務に合ったシステム化の考え方です。
ここからは、システムを導入・開発する際に整理したい機能を紹介します。
最初に必要なのは、スタッフ情報を一つにまとめることです。
たとえば、
などです。
シフト管理と勤怠管理で別々のスタッフ名簿を作ると、入社・退職・異動のたびに複数の情報を変更する必要があります。
共通のスタッフ情報を利用することで、情報の不一致を減らせます。
ただし、給与や個人情報に関する項目は、すべての管理者が閲覧できる必要はありません。
役割に応じたアクセス権限を設定することが重要です。
シフト作成では、単にカレンダーへ勤務時間を入力するだけでなく、作成前後の流れも整理します。
たとえば、
スタッフが勤務希望を提出
↓
店長が希望を確認
↓
必要人数を確認
↓
シフトを作成
↓
シフトを確定
↓
スタッフへ共有
という流れです。
ここで重要なのが、確定前と確定後の区別です。
確定前のシフトは変更できても、確定後の変更にはスタッフへの連絡が必要になる場合があります。
また、変更履歴を残しておくと、いつ誰が勤務予定を変更したのか確認しやすくなります。
勤怠管理では、実際の勤務状況を記録します。
打刻方法には、
などがあります。
どの方法が適しているかは、店舗の運用によって異なります。
たとえば、スタッフが共用タブレットで打刻する場合は、本人確認の方法を検討する必要があります。
一方、個人のスマートフォンを利用する場合は、端末を持っていないスタッフへの対応や、勤務場所の確認方法なども考慮します。
また、打刻時刻が必ずしも実際の労働時間と一致するとは限りません。
始業前の準備作業や終業後の片付けなど、使用者の指揮命令下で行われる業務も含め、実際の労働時間を適切に把握する必要があります。
一元化するメリットの一つが、予定と実績の比較です。
たとえば、
シフト予定
17:00〜22:00
勤務実績
17:00〜22:30
予定との差
終了時刻が30分遅い
という情報を確認できます。
ただし、予定との差は、そのまま残業時間や追加給与を意味するものではありません。
給与計算に必要な労働時間は、休憩や適用される労働時間制度などを踏まえて別途判定します。
また、店舗別に予定と実績を比較することで、
などを確認できます。
店舗運営の改善に活用する場合は、売上や来店状況などの情報と組み合わせて検討する方法もあります。
実際の店舗運営では、打刻漏れが発生することがあります。
たとえば、
「出勤時に打刻を忘れた」
「退勤時刻を間違えて登録した」
「休憩時間が正しく記録されていない」
といったケースです。
この場合、管理者が自由に勤怠データを上書きできるだけでは、修正の経緯が分からなくなります。
そこで、
スタッフが修正を申請
↓
店長が内容を確認
↓
必要に応じて承認
↓
修正内容を記録
という運用が考えられます。
変更前後の内容、変更日時、申請者、承認者などを残せると、後から確認しやすくなります。
ただし、承認待ちを理由に実際の労働時間を記録しない、あるいは適切な賃金支払いを遅らせる運用にならないよう注意が必要です。
勤怠データが確定したら、給与計算に必要な情報を整理します。
たとえば、
などです。
ただし、給与計算は単純に、
「勤務時間 × 時給」
だけで完結するとは限りません。
雇用契約、就業規則、適用される労働時間制度、割増賃金、手当、控除などを考慮する必要があります。
そのため、既存の給与計算ソフトを利用している場合は、勤怠データだけを連携する方法も有効です。
勤怠管理システム側ですべての給与計算機能を開発する必要があるとは限りません。
給与計算の後には、会計処理が必要になります。
ここで注意したいのは、勤怠データと会計データは異なるということです。
勤怠データは、
「誰が、いつ、どれだけ働いたか」
を管理する情報です。
一方、会計システムでは、給与や法定福利費、預り金などを適切な勘定科目で処理します。
そのため、
勤怠データ
↓
給与計算
↓
給与計算結果の確定
↓
会計処理に必要な仕訳データを作成
↓
会計ソフトへ取り込み
という流れが考えられます。
たとえば、弥生会計では、所定の形式に従った仕訳データをインポートする機能が提供されています。
ただし、利用している製品やバージョンによって対応する形式・操作方法は異なります。
また、給与計算結果から適切な仕訳を作成するには、会計処理のルールも整理する必要があります。
複数店舗を運営している企業では、1店舗だけの場合とは異なる管理項目が必要になることがあります。
たとえば、普段は店舗Aで働いているスタッフが、店舗Bへ応援に行くケースです。
この場合、
を整理する必要があります。
特に重要なのは、所属店舗と勤務店舗を区別することです。
所属店舗だけで勤務実績を集計すると、実際にどの店舗で働いたのか分からなくなる場合があります。
店舗別に人件費を管理する場合は、集計ルールを決める必要があります。
たとえば、店舗間のヘルプ勤務を、
「所属店舗の人件費に含める」
のか、
「実際に勤務した店舗の人件費に含める」
のかによって、店舗別の数字が変わります。
どちらが適切かは、企業の管理目的や会計処理の方針によって異なります。
システム導入前に、集計の目的とルールを明確にすることが重要です。
複数店舗を運営する場合は、利用者によって閲覧できる情報を分けることも検討します。
たとえば、
店舗スタッフ: 自分のシフト・勤怠を確認する。
店長: 担当店舗のシフト・勤怠を管理する。
本部担当者: 必要な範囲で複数店舗の勤怠状況を確認する。
給与担当者: 給与計算に必要な情報を扱う。
といった役割分担です。
特に、給与情報や個人情報を扱う画面は、業務上必要な担当者だけが利用できるようにする必要があります。
勤怠管理は、単なる業務効率化ではなく、労働時間の適切な把握にも関係します。
厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を公開しています。
同ガイドラインでは、使用者が労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録することや、原則として客観的な記録などを基礎に確認することが示されています。
参考: 厚生労働省|労働時間の適正な把握に関するガイドライン
たとえば、17:03に出勤したスタッフの打刻を、システムが自動的に17:15へ変更するような設定には注意が必要です。
実際の労働時間を適切に把握し、賃金を計算する必要があります。
勤務時間を一律に切り捨てることで、実際に働いた時間に対する賃金が支払われない状態になってはいけません。
シフト上では休憩が設定されていても、実際には休憩を取得できなかったケースがあります。
そのため、予定された休憩時間を無条件に実績から差し引く設計には注意が必要です。
実際の休憩取得状況を確認できる仕組みを検討します。
給与計算では、時間外労働、休日労働、深夜労働などの区分が重要です。
また、適用される労働時間制度によって計算方法が異なる場合があります。
そのため、給与計算機能を独自開発する場合は、労働基準法や就業規則などを踏まえた設計が必要です。
勤怠管理画面を作ることと、法令に対応した給与計算システムを構築することは、必要な検討範囲が異なります。
給与計算や労働時間の判定を独自に実装する場合は、社会保険労務士などの専門家と確認しながら進めることが重要です。
また、法改正や就業規則の変更に対応できる運用も必要になります。
スタッフ数が少なく、勤務形態がシンプルな場合は、Excelやスプレッドシートでシフトを管理する方法があります。
メリットは、現在の運用を大きく変えずに始められることです。
ただし、実際の労働時間を適切に記録する方法や、勤怠修正の管理などは別途検討する必要があります。
Excelだけですべての業務を管理しようとすると、運用が複雑になる場合もあります。
Excel管理を見直す判断基準については、Excel管理はいつ限界?Webシステムへ移行する7つのサインでも解説しています。
一般的なシフト管理や勤怠管理であれば、既製サービスが有力な選択肢です。
サービスによっては、
などに対応しています。
ただし、すべてのサービスで同じ機能が使えるわけではありません。
料金プランや契約条件、利用人数、対応する給与計算ソフトなどを確認する必要があります。
既製サービスでは対応しにくい独自の運用がある場合は、オーダーメイド開発も選択肢になります。
たとえば、
などです。
ただし、給与計算や法令対応まで、すべてを独自開発する必要はありません。
既存の給与計算ソフトを活用し、シフト・勤怠管理の部分だけを開発する方法も考えられます。
既製サービスが業務に合わない場合の判断基準は、既製システムが業務に合わない原因と見直すべき7つのポイントでも紹介しています。
必ずしも、一度にすべての機能を開発する必要はありません。
むしろ、初めてシステム化する場合は、段階的に進める方法もあります。
まず、シフト希望の収集、作成、確定、共有を整理します。
出退勤・休憩の記録を管理し、予定と実績を比較できるようにします。
打刻漏れ、修正申請、承認、締め処理などを整理します。
確定した勤怠データを、給与計算ソフトで利用できる形式へ変換します。
給与計算結果から会計処理に必要なデータを作成し、会計ソフトとの連携を検討します。
このように分けることで、必要な機能を確認しながら開発範囲を決められます。
ただし、段階的に開発する場合でも、将来の連携を考慮してスタッフ情報や勤怠データの設計を行うことが重要です。
シフト変更は勤務予定の変更です。
勤怠修正は実際の勤務記録の修正です。
この2つは異なるため、別の操作として管理する必要があります。
打刻がないからといって、予定されたシフト時刻をそのまま実績として確定するのは適切ではありません。
実際の勤務状況を確認できる運用が必要です。
飲食店やBARなど、深夜に営業する店舗では、日付をまたぐ勤務が発生します。
たとえば、
10月20日 20:00 出勤
10月21日 2:00 退勤
という勤務です。
店舗の営業日と実際の勤務日時を区別して記録できるようにします。
また、深夜労働に関する計算は、実際の日時に基づいて適切に判定する必要があります。
勤怠データに出勤・退勤時刻しか記録されていない場合、給与計算に必要な情報が不足することがあります。
休憩、休暇、時間外・休日・深夜労働など、必要な項目を整理しておくことが重要です。
MAVERAでは、中小企業や店舗向けに、現在の業務に合わせたオーダーメイドのWebシステムを設計しています。
公式サイトでは、複数店舗やスタッフ情報をまとめて管理する「店舗・スタッフ管理」も対応領域として紹介しています。
また、公開している開発事例には、
などがあります。
これらのシステムでは、それぞれの業務に必要な情報や操作を整理し、店舗の運用に合わせた仕組みを設計しています。
シフト・勤怠管理についても、同じように、
「誰がシフトを作るのか」
「誰が勤務実績を確認するのか」
「どの情報を給与計算へ渡すのか」
といった業務の流れから整理することが重要です。
※上記の公開事例は、シフト・勤怠・給与計算システムの導入実績を示すものではありません。
MAVERAの対応領域については、サービス紹介をご覧ください。
また、実際の開発事例は導入事例・開発実績で紹介しています。
勤怠管理システムでは、スタッフの勤務情報や個人情報を扱います。
給与情報まで管理する場合は、さらに慎重なアクセス制御が必要です。
たとえば、
などを検討します。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、2026年3月27日に「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版を公開しています。
同ガイドラインでは、バックアップなどの基本的なセキュリティ対策も重視されています。
シフト管理はスタッフの勤務予定を管理するものです。勤怠管理は実際の出勤・退勤、休憩、労働時間などを記録・管理するものです。一元化する場合も、予定と実績を区別する必要があります。
可能です。シフト作成、確定、打刻、勤務実績の確認などを同じシステムで管理する方法があります。ただし、必要な機能は店舗の勤務形態や運用によって異なります。
シフト表は勤務予定のため、そのまま給与計算に利用することは適切でない場合があります。実際の労働時間や休憩、時間外・休日・深夜労働などを確認し、必要な勤怠データを確定してから給与計算へ反映することが重要です。
対応するシステムであれば可能です。勤務予定と実際の出退勤時刻などを比較し、差異を確認できます。ただし、予定との差がそのまま法律上の時間外労働になるわけではありません。
可能です。スタッフの所属店舗と実際の勤務店舗を区別することで、店舗間のヘルプ勤務などにも対応できる設計が考えられます。
利用するソフトによって異なります。CSVなどのファイル連携や、正式なAPIによる連携が可能な場合があります。利用中の製品・プラン・バージョンを確認する必要があります。
会計ソフトの仕様によって異なります。給与計算結果から仕訳データを作成し、対応する形式で取り込む方法などが考えられます。ただし、勤怠データをそのまま会計ソフトへ送ればよいわけではありません。
技術的には可能です。ただし、労働時間の適正な把握や給与計算に関係するため、法令・就業規則・運用ルールを踏まえた設計が必要です。給与計算まで独自開発する場合は、専門家による確認も重要です。
一般的なシフト・勤怠管理であれば、既製サービスを優先して検討する方法が合理的です。一方、店舗独自の勤務ルールや複雑な承認フロー、既存システムとの特殊な連携が必要な場合は、オーダーメイド開発も選択肢になります。
シフト管理と勤怠管理を一元化する場合、重要なのは単に複数のツールを一つにまとめることではありません。
シフトを作成する。
スタッフへ共有する。
実際の勤務を記録する。
予定と実績を比較する。
必要な修正を確認する。
勤怠データを確定する。
給与計算へ連携する。
この一連の流れを整理することが重要です。
特に複数店舗を運営する企業では、店舗間のヘルプ勤務や本部での集計なども考慮する必要があります。
一方で、給与計算や会計処理まで、すべてを独自開発する必要はありません。
既存のサービスを活用し、現在の業務で負担が大きい部分だけを改善する方法もあります。
MAVERAでは、中小企業・店舗向けに、業務の流れに合わせたオーダーメイドWebシステムを設計しています。
「シフト作成と勤怠管理が別々になっている」
「毎月の勤怠集計に時間がかかる」
「複数店舗の勤務状況をまとめて確認したい」
「給与計算ソフトへの転記を減らしたい」
そんな段階からでもご相談いただけます。
MAVERAでは、現在の業務を確認し、既存サービスの活用も含めて必要な機能と開発範囲を整理します。
まずは、今の業務で困っていることをお聞かせください。