この記事でわかること
- 飲食店の予約管理を一元化する方法
- ダブルブッキングが発生する原因
- 予約窓口の統一と予約データの一元管理の違い
- 予約管理システムに必要な機能
- 電話・予約サイト・SNSを併用する際の注意点
- 既製システムとオーダーメイド開発の選び方
- 導入前に整理しておきたい店舗独自のルール
MAVERA COLUMN
業務効率化
電話・予約サイト・Instagram・Googleなど、複数の窓口から入る飲食店の予約を一元管理する方法を解説します。ダブルブッキングが起こる原因、予約台帳と自動連携の違い、席・滞在時間・変更履歴の管理方法、既製システムとオーダーメイド開発の選び方まで、店舗運営の実務に沿って紹介します。
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「電話で予約を受けたのに、ネット予約の受付を止め忘れた」
「予約サイトと紙の台帳を何度も確認している」
「Instagramから届いた予約の変更内容が、ほかのスタッフに伝わっていなかった」
飲食店では、予約の受付方法が増えるほど、こうした問題が起こりやすくなります。
現在は電話だけでなく、予約サイト、店舗のホームページ、SNSなど、さまざまな経路から予約を受け付けることができます。
お客様にとって予約方法が増えるのは便利なことです。
一方、店舗側では、
といった管理上の負担が生まれる場合があります。
この問題を改善する方法の一つが、予約管理の一元化です。
ただし、予約管理システムを導入するだけで、すべての予約が自動的に連携されるわけではありません。
重要なのは、「予約をどこから受け付けるか」と「受け付けた予約をどこで管理するか」を分けて考えることです。
この記事では、飲食店の予約管理を一元化する方法と、ダブルブッキングを防ぐために確認したい7つのポイントを解説します。
飲食店の予約管理を一元化するとは、複数の経路から受け付けた予約情報を、スタッフが共通の予約台帳や管理画面で確認・管理できる状態にすることです。
たとえば、
電話予約 ↓ スタッフが予約台帳へ登録
Web予約 ↓ 予約台帳へ自動登録
店舗で受けた予約 ↓ スタッフが予約台帳へ登録
という運用です。
これにより、スタッフが確認する予約情報の場所をまとめられます。
ただし、ここで注意したいのが、予約情報をまとめることと、各予約サイトの空席情報を自動更新することは別の機能だという点です。
複数の予約経路から受け付けた情報を、一つの台帳で確認する仕組みです。
電話予約などを手動登録する方法も含まれます。
一つの予約経路で予約が確定した際に、連携しているほかの予約経路でも空席情報を更新する仕組みです。
予約サイトとの正式な連携機能などが必要になります。
予約情報を一つの画面で見られても、各予約サイトの空席が更新されなければ、ダブルブッキングの可能性は残ります。
第1段階:予約情報を一つの台帳にまとめる
スタッフが同じ予約情報を確認できる状態です。
第2段階:予約枠・空席情報まで連携する
予約が確定した際に、連携対象の受付窓口にも空席状況を反映する状態です。
どちらが必要かは、現在利用している予約サイトや店舗の運用によって異なります。
営業中に電話で予約を受けたものの、忙しくて台帳への登録が遅れるケースです。
予約を受けたスタッフは覚えていても、ほかのスタッフには共有されていません。
その間に同じ時間帯の予約を受け付けると、重複する可能性があります。
複数の予約サイトを利用している場合です。
予約サイトAで席が埋まっても、予約サイトBの空席情報が更新されなければ、同じ席を販売してしまう可能性があります。
この問題には、対応する予約サイト同士の在庫連携が有効です。
ただし、すべての予約サービスが自由に外部連携できるわけではありません。
利用中のサービスが正式に対応している連携方法を確認する必要があります。
たとえば、
18時・2名 ↓ 電話で19時・4名に変更
となった場合です。
変更内容が台帳へ反映されていなければ、古い情報をもとに配席してしまう可能性があります。
予約変更では、最新情報だけでなく、変更前の内容も確認できることが役立ちます。
飲食店の予約管理では、単純な席数だけでは判断できない場合があります。
たとえば4名席が1卓ある場合、
2名予約を1件受け付けたからといって、必ず残り2名を同じ卓へ案内できるわけではありません。
また、
などによっても受付可能な予約が変わります。
18時から2時間の予約が入っている席に、19時から別の予約を入れてしまうケースです。
予約開始時間だけでなく、終了予定時間まで含めて管理する必要があります。
さらに、片付けや次のお客様を案内するための準備時間を設ける店舗では、その時間も考慮します。
予約管理を一元化する方法は、大きく3つあります。
最もシンプルな方法です。
現在複数の場所で管理している予約を、一つの台帳へまとめます。
たとえば、
を一つのExcelやスプレッドシートで管理します。
メリットは、新しいシステムを開発せずに始められることです。
一方、予約サイトの空席情報まで自動連携できるとは限りません。
また、複数スタッフが同時に操作する場合や、席の割り当てが複雑な場合には管理しにくくなることがあります。
飲食店向けに提供されている予約台帳サービスを利用する方法です。
サービスによっては、
などの機能が用意されています。
複数の予約サイトを利用している店舗では、各サイトの空席情報をまとめて管理する「サイトコントローラー」機能も選択肢になります。
ただし、対応する予約サイト、連携方式、利用料金、プランによる制限はサービスごとに異なります。
既製サービスで必要な機能がそろうのであれば、無理に専用システムを開発する必要はありません。
既製サービスでは対応しにくい独自の運用がある場合は、オーダーメイド開発も選択肢になります。
たとえば、
などです。
ただし、オーダーメイドで予約管理システムを作っても、外部予約サイトとの自動連携が必ず実現できるわけではありません。
外部サービスの連携可否は、開発前に確認する必要があります。
予約情報には、予約日時や人数だけでなく、どこから予約が入ったかも記録できると便利です。
たとえば、
などです。
予約経路を記録することで、後から経路別の予約件数を確認できます。
ただし、予約経路を正しく把握するには、取得方法の設計が必要です。
たとえばInstagramとGoogleから同じ予約フォームへ案内する場合、リンクに識別用のパラメータを付ける方法があります。
一方、リンクの共有や再訪問などによって、実際の流入経路を完全には判定できない場合もあります。
そのため、経路別の件数は取得方法や計測上の制約を理解したうえで利用することが重要です。
飲食店では、席数だけでなく席の使い方が重要です。
たとえば、
などです。
テーブルを結合する場合は、結合前の各テーブルに別の予約が入らないようにする必要があります。
また、席を指定せずに予約を受け付け、スタッフが後から配席する運用もあります。
自動配席が必要なのか、手動配席で十分なのかも検討しましょう。
予約を受け付ける際は、
予約開始時間 ↓ 滞在予定時間 ↓ 片付け・準備時間 ↓ 次の予約
という流れを考えます。
たとえば、
18:00〜20:00が滞在予定
20:00〜20:15が準備時間
という設定なら、次の予約を受け付ける時刻にも影響します。
これはあくまで設定例です。
実際には店舗の営業時間、コース内容、席の回転方法などに合わせて決める必要があります。
予約管理では、現在の予約内容だけでなく、変更の経緯が重要になることがあります。
たとえば、
10月20日 18:00・2名で予約 ↓ 10月21日 19:00・4名へ変更 ↓ 10月22日 1名追加
というケースです。
最新情報だけが表示されると、以前の内容を確認できません。
変更履歴を残せる設計なら、
などを確認できます。
ただし、すべての変更履歴を無期限に保存する必要があるわけではありません。
保存する情報と期間は、業務上の必要性や個人情報の取扱いも考慮して決めます。
予約の受付後には、さまざまな連絡が発生します。
こうしたやり取りがスタッフ個人のメールやメッセージに分散していると、引き継ぎが難しくなります。
そこで検討したいのが、予約ごとにメッセージ履歴を管理する仕組みです。
たとえば、
予約詳細 ↓ 店舗からメッセージ送信 ↓ お客様が返信 ↓ 返信内容を予約詳細に保存
という流れです。
すべての店舗に必要な機能ではありませんが、予約後の確認や変更連絡が多い店舗では検討する価値があります。
飲食店では、スタッフが常にパソコンの前にいるとは限りません。
営業中に電話を受けたり、席の状況を確認したりするため、スマートフォンやタブレットから操作できると便利です。
ただし、単にスマートフォンで画面が開ければよいわけではありません。
といった操作性まで確認する必要があります。
予約管理と顧客管理が別々になっている店舗もあります。
たとえば、
予約情報は予約台帳。
顧客情報はExcel。
過去の対応履歴は紙のメモ。
という状態です。
予約と顧客情報を適切につなげることで、必要な履歴を確認しやすくなります。
ただし、顧客情報を多く集めればよいわけではありません。
利用目的に必要な情報だけを扱い、アクセス権限や保存期間などを適切に設定することが重要です。
ここは誤解しやすい部分です。
たとえば、店舗のホームページ、Instagram、Googleの店舗情報から、同じWeb予約フォームへ案内するとします。
この場合、各経路からのWeb予約を同じシステムで受け付けられます。
しかし、外部予約サイトでも独立して予約を受け付けている場合、そのサイトの空席情報まで自動更新されるとは限りません。
また、電話予約をスタッフが登録し忘れれば、予約フォーム上では空席のままになる可能性があります。
つまり、
予約フォームを一つにすることと、すべての予約経路の空席を連動させることは別です。
店舗のホームページやSNSから自社予約フォームへ案内することと、各サービスが提供する予約連携機能を利用することは異なります。
Googleビジネスプロフィールの予約リンクについても、対象業種や地域、リンクの要件などがあります。
また、予約リンクを設置しただけで、外部予約サイトの在庫が自動的に同期されるわけではありません。
利用するサービスの公式仕様を確認してください。
予約管理システムを開発する場合、見た目のカレンダーだけではなく、予約を確定する処理も重要です。
たとえば2人のお客様が、同じ時間帯の最後の空席をほぼ同時に選んだとします。
どちらの画面にも空席が表示されていたとしても、両方の予約を確定してよいわけではありません。
予約確定時に最新の空席状況を確認し、同じ席を二重に確保しない処理が必要です。
同時操作による競合を防ぐため、データベースのトランザクションなど、整合性を保つ仕組みを設計します。
予約の受付方法によっては、すぐに確定しない場合があります。
たとえば、
予約リクエスト ↓ 店舗が確認 ↓ 予約確定
という運用です。
この場合、確認待ちの予約を空席計算にどう反映するかを決める必要があります。
仮予約の段階で席を一時確保するのか、確定時に改めて空席を判定するのかによって運用が変わります。
予約がキャンセルされた場合、席を再び受付可能にする処理も必要です。
ただし、キャンセル待ちの管理や、店舗側で席を確保しておく運用がある場合は、単純に空席へ戻せばよいとは限りません。
外部サービスとの連携では、情報の反映に時間差が生じる可能性があります。
また、通信エラーや連携停止などが発生することも考慮する必要があります。
そのため、連携機能がある場合でも、
などを確認することが重要です。
最初に、どこから予約を受け付けているかを書き出します。
電話、店頭、予約サイト、ホームページ、SNSなどです。
それぞれの予約が、現在どこへ記録されているかも確認します。
予約を受け付けた時点で確定するのか、スタッフによる確認が必要なのかを整理します。
また、電話予約を誰が登録するのか、変更時に誰が対応するのかも決めます。
次に、店舗独自のルールを確認します。
などです。
現在の業務に合う既製サービスがあれば、まず利用を検討します。
特に複数の予約サイトを利用している場合は、対応するサイトコントローラーや予約台帳サービスを確認することが重要です。
既製サービスでは対応できない業務がある場合は、必要な部分だけ専用システムを開発する方法があります。
たとえば、
予約登録 ↓ 予約一覧 ↓ 顧客管理 ↓ 変更履歴
という基本機能から始める方法です。
その後、運用に合わせてメッセージ管理や分析機能などを検討できます。
ただし、将来の機能追加が初期設計に影響する場合もあるため、拡張予定は開発前に共有しておくことが重要です。
MAVERAでは、中小企業・店舗向けに、業務に合わせたWebシステムを設計しています。
公開している開発事例の一つに、美容室向けの予約・顧客カルテシステムがあります。
この事例では、予約管理、顧客情報、施術履歴を一元化し、店舗の運用に合わせて構築しています。
予約管理で重要なのは、単に予約日時を記録することだけではありません。
予約を受け付けたあと、
といった業務全体を見る必要があります。
飲食店の場合は、さらに席配置や滞在時間、複数の予約経路なども検討対象になります。
MAVERAでは、既製システムを利用した方が合理的な場合も含め、現在の業務に必要な仕組みを整理することを重視しています。
対応している業務領域は、MAVERAのサービス紹介で確認できます。
また、公開可能な開発事例については、導入事例・開発実績で紹介しています。
※予約サイトとの自動連携や飲食店向けの自動配席などは、各案件の要件と外部サービスの対応状況を確認して設計する機能です。すべての開発事例で実装済みという意味ではありません。
予約管理システムでは、お客様の氏名や電話番号、メールアドレスなどを扱う場合があります。
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、個人データの安全管理措置などについて説明されています。
店舗で予約管理システムを利用する場合も、業務内容に応じて適切な対策が必要です。
たとえば、
などを検討します。
また、予約時に取得する情報の利用目的を適切に通知・公表することも重要です。
参考:個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」
自店舗の予約管理について、次の項目を確認してみてください。
当てはまる項目がある場合は、現在の予約受付から来店までの流れを整理してみてください。
ただし、項目に当てはまるからといって、必ず新しいシステムが必要というわけではありません。
既存の予約サービスの設定変更や、スタッフ間の運用ルールの見直しで解決できる場合もあります。
まず電話・店頭・予約サイト・SNSなど、現在の予約経路を整理します。そのうえで、一つの予約台帳に情報を集約する方法を検討します。外部予約サイトの空席まで自動更新したい場合は、対応する連携機能が必要です。
自社フォーム経由の予約を同じシステムで管理することはできますが、外部予約サイトや電話予約が別管理のままでは重複する可能性があります。すべての予約経路を含めた空席管理が必要です。
スタッフが管理画面から手動登録できるシステムがあります。電話予約を受け付けた際に、すぐ登録できる操作性や運用ルールが重要です。
利用するサービスの仕様や設定条件によりますが、対応する場所に自社予約フォームへのリンクを設置する方法があります。ただし、リンクの設置と予約データの自動連携は別の機能です。
予約サイトによって異なります。正式なAPIやサイトコントローラーなどの連携手段が提供されている場合は、条件に応じて連携を検討できます。連携手段が提供されていないサービスについては、自動連携を前提にしない設計が必要です。
店舗規模だけでは判断できません。予約件数が少なく、紙やExcelで問題なく管理できている場合は、無理に導入する必要はありません。一方、確認や転記、変更対応が負担になっている場合は、システム化を検討する余地があります。
一般的な予約受付や席管理で十分なら、既製サービスが合理的な場合があります。独自の席配置、特殊な受付ルール、顧客との連絡管理など、既製サービスでは対応しにくい業務がある場合にオーダーメイド開発を検討します。
飲食店の予約管理では、お客様が予約しやすいことと、スタッフが管理しやすいことの両方が重要です。
電話、予約サイト、ホームページ、SNSなど、予約の入口が増えること自体は問題ではありません。
問題になるのは、それぞれの予約情報や空席情報が分散し、スタッフが何度も確認しなければならない状態です。
予約管理を見直す際は、
という順番で考えると整理しやすくなります。
最初からすべてを自動化する必要はありません。
まずは、スタッフが同じ予約情報を確認できる状態を作ることが重要です。
MAVERAでは、中小企業・店舗の業務に合わせたオーダーメイドWebシステムを設計しています。
予約管理、顧客情報、変更履歴など、現在の業務で必要な機能を整理し、店舗に合った仕組みを検討できます。
「予約サイトと電話予約の管理が大変」
「既製システムでは店舗独自のルールに対応できない」
「予約と顧客情報をまとめて管理したい」
そんな段階からでもご相談いただけます。
MAVERAでは、現在の予約業務を整理し、必要な機能と開発範囲を検討します。