この記事でわかること
- FAX発注をWeb化するとは何を変えることなのか
- FAX発注をWeb化する4つの方法
- Web発注システムに必要になりやすい機能
- 既製システムとオーダーメイド開発の違い
- 複数店舗で発注をWeb化するときのポイント
- 導入前に確認しておきたい注意点
MAVERA COLUMN
業務効率化
FAXで行っている発注業務をWeb化したい中小企業・店舗向けに、具体的な方法と導入手順を解説します。クラウドFAX、Webフォーム、既製の受発注システム、オーダーメイド開発の違いから、複数店舗で必要になりやすい機能や注意点まで整理します。
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FAXで発注書を送り、受け取った内容を確認し、必要に応じてExcelなどへ入力する。
こうした発注業務は、取引件数や店舗数が少ないうちは大きな問題にならなくても、業務量が増えるにつれて確認・転記・集計・履歴管理の負担が大きくなりやすくなります。
FAX発注をWeb化するときに重要なのは、FAX機をなくすことではなく、発注情報を最初からデータとして扱い、その後の確認・変更・集計まで一つの流れとして設計することです。
この記事では、中小企業や複数店舗を運営する企業を想定して、FAX発注をWeb化する方法、必要になりやすい機能、システムの選び方、導入手順まで解説します。
FAX発注のWeb化とは、紙やFAXでやり取りしている発注情報を、パソコン・スマートフォン・タブレットなどから入力し、Web上で管理できる仕組みに変更することです。
たとえば、これまで
と進めていた業務を、
という流れに変えていきます。
紙の発注書をPDFにしてメールで送る方法もデジタル化の一つですが、それだけでは入力・集計・検索などの手作業が残ることがあります。
FAX発注のWeb化を考えるときは、「FAXを何に置き換えるか」だけでなく、FAXの前後で発生している作業をどこまで整理できるかを見ることが重要です。
大きな違いは、発注内容を最初からデータとして扱えることです。
ただし、Web化すれば自動的にすべての業務が効率化されるわけではありません。
現在の発注フローに合っていないシステムを導入すると、Webシステムへの入力とは別にExcelや紙での管理が残り、かえって二重管理になることもあります。
発注書を作成した後、発注内容をExcelや別の管理システムへ再入力している場合、同じ情報を複数回入力することになります。
入力作業が複数あるほど、その都度確認も必要になります。
FAXでは、過去の発注を確認するために紙のファイルや受信履歴などを探す必要があります。
特に複数店舗で利用している場合、
をまとめて確認するには、別途集計が必要になることがあります。
FAXを送信しただけでは、
「確認されたのか」 「処理が進んでいるのか」 「対応が完了したのか」
まで把握できないケースがあります。
その結果、電話やLINEなどで確認する作業が発生します。
発注後に数量などを変更し、FAXを送り直したり電話で訂正したりすると、どの情報が最新なのか分かりにくくなることがあります。
複数人が関わる業務では特に注意が必要です。
1店舗では問題なく運用できていたFAX発注でも、店舗や部署が増えると、本部側で確認・整理する情報量も増えます。
この段階では、FAXそのものよりも発注後の情報管理がボトルネックになっている場合があります。
FAX発注をWeb化する方法は一つではありません。
現在の業務量、取引先、店舗数、必要な機能によって適した方法が変わります。
| 方法 | 向いているケース | 特徴 |
|---|---|---|
| インターネットFAX | 相手先がFAXを利用している | 現在のFAX運用を大きく変えず紙を減らしやすい |
| Webフォーム | 発注内容が比較的シンプル | 小規模なWeb化から始めやすい |
| 既製の受発注システム | 標準的な発注業務 | 必要な機能があらかじめ用意されている |
| オーダーメイドシステム | 独自ルールや複数店舗運用がある | 現在の業務に合わせて設計できる |
インターネットFAXは、パソコンやスマートフォンなどからFAXを送受信できるサービスです。
取引先がFAXを利用しており、発注方法自体をすぐに変更できない場合などに利用しやすい方法です。
一方、発注情報自体はFAXとしてやり取りするため、
まで行いたい場合は、別の仕組みが必要になります。
FAXをデジタルで送受信することと、発注業務そのものをWeb化することは同じではありません。
入力する内容がシンプルであれば、Webフォームを使って発注する方法があります。
たとえば、
などを入力し、回答内容を表形式で管理します。
比較的小さく始めやすい一方で、商品数や店舗数が増え、
などが必要になると、フォームだけでは管理しにくくなることがあります。
標準的な発注フローであれば、既製のクラウド型受発注システムを利用する方法があります。
商品登録、発注、注文履歴、取引先管理などが用意されており、自社の業務と機能が合えば合理的な選択です。
一方、
「店舗によって発注できる商品が違う」 「独自の承認方法がある」 「特殊な集計方法がある」
など、自社独自の条件が多い場合は、システム側に業務を合わせる必要が出ることがあります。
既製システムでは対応しにくい場合、自社の発注フローに合わせてWebシステムを設計する方法があります。
たとえば、
などを、必要な業務に合わせて設計できます。
ただし、すべての企業にオーダーメイド開発が必要なわけではありません。
既製サービスで問題なく運用できるのであれば、既製システムを利用する方が適しているケースもあります。
発注システムを探す前に、現在の業務を整理することが重要です。
確認するのは、FAXを送信している瞬間だけではありません。
ここまで整理すると、
「FAXだけを置き換えればよいのか」
それとも、
「発注後の管理までシステム化した方がよいのか」
が見えやすくなります。
すべての機能を最初から導入する必要はありません。
現在の業務で必要なものから検討します。
商品、数量、希望日、備考などを入力する基本機能です。
店舗から日常的に使用する場合は、入力項目を増やしすぎず、スマートフォンからでも操作しやすいことが重要です。
複数店舗の場合、
「誰がどの店舗の情報を確認できるのか」
を設計します。
店舗担当者は自店舗だけ、本部担当者は全店舗を閲覧できるなど、役割に応じた権限設定が考えられます。
商品名、商品コード、発注単位などを登録します。
商品名を毎回自由入力するよりも、選択式にすることでデータを整理しやすくなります。
たとえば、
など、現在の状態を表示します。
FAX送信後に「届いていますか?」と確認することが多い業務では、検討する価値があります。
誰が、いつ、何を変更したかを確認できるようにする機能です。
複数の担当者が同じ発注情報を扱う場合は、変更後の内容だけでなく経緯も確認できる設計が役立ちます。
新規発注や変更があった際に、メールなどで担当者へ知らせます。
ただし、通知を増やしすぎるとかえって確認されなくなるため、重要なタイミングに絞ることが大切です。
過去の発注を、
などで検索できる機能です。
会計や分析など別の業務でデータを利用する場合には、CSV出力も検討します。
複数店舗を運営している企業では、発注をWeb化する目的はペーパーレスだけではありません。
店舗側には、
「簡単に発注できること」
が求められます。
一方、本部側には、
などをまとめて確認できることが求められます。
店舗側だけ、本部側だけを見て設計すると、どちらかの作業が複雑になる可能性があります。
MAVERAでは、複数店舗を運営する企業から、事務所から各店舗へ紙のFAXで行っていた発注業務をWeb上で完結させたいという相談をもとにシステム設計を進めています。
このケースでも、FAX用紙をそのままWeb画面へ置き換えるだけではありません。
検討する必要があるのは、
といった、FAXの前後にある業務です。
MAVERAでは、こうした現場の流れを整理し、必要な機能を決めていくことを重視しています。
判断するときは、「どちらの方が高機能か」ではなく、現在の業務との相性を確認します。
MAVERAでは、オーダーメイド開発が常に最適だとは考えていません。
既製サービスで現在の業務を無理なく実現できるのであれば、それも合理的な選択です。
一方で、システムに業務を合わせた結果、
「結局Excelも使う」 「紙も残る」 「別の場所にも入力する」
という状態になるのであれば、業務にシステムを合わせる方法を検討する余地があります。
MAVERAがどのような考え方で業務システムを設計しているかについては、MAVERA公式サイトでも紹介しています。
最初に、
「誰が → 何を見て → 何を入力し → 誰へ送り → その後どうするのか」
を書き出します。
現在使用しているFAX発注書も重要な資料になります。
最初からすべてを置き換える必要はありません。
たとえば、
「まず発注入力と一覧管理だけWeb化する」
という始め方もできます。
「あると便利」という理由だけで機能を増やさず、
「現在どの作業に時間や手間がかかっているのか」
から優先順位を決めます。
業務内容に応じて、
などから選択します。
複数店舗の場合は、一部の店舗や一つの業務から試す方法があります。
実際に現場で使うことで、設計段階では分からなかった操作上の問題が見つかることもあります。
問題がなければ対象店舗や業務を広げます。
取引先や現場の事情でFAXをすぐに廃止できない場合は、一定期間併用する方法もあります。
FAXが残ること自体を失敗と考える必要はありません。
まずは転記、確認、集計など、負担が大きい部分から改善し、必要に応じてWeb化する範囲を広げる方法があります。
現在のFAX帳票をそのままWebフォームにしても、その前後の作業が変わらなければ手作業が残ります。
Web化するときは、
「この項目は本当に必要なのか」
というところから見直します。
将来的に必要になるかもしれない機能まで最初から入れると、操作もシステムも複雑になります。
まずは日常的に発生する業務を優先する方が運用しやすくなります。
店舗では、常にパソコンを開いているとは限りません。
スマートフォンやタブレットで利用するのであれば、最初からその操作を前提に設計する必要があります。
取引先や現場の事情によっては、FAXをすぐに完全廃止できないことがあります。
FAXの廃止率よりも、
といった実際の業務を見ることが重要です。
発注情報をWeb上でやり取りする場合は、業務上の履歴だけでなく、税務上の保存ルールについても確認が必要です。
国税庁では、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する情報を電子的に授受した場合、電子取引データとして保存が必要になることを案内しています。
また、保存にあたっては、改ざん防止や検索などについて一定の要件があります。
発注システムを導入する場合は、「画面上に履歴が残るから大丈夫」と自己判断せず、自社が保存すべき取引情報と運用方法を確認してください。
詳しい要件については、国税庁の「電子帳簿等保存制度」の最新情報を確認し、必要に応じて税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
「誰が発注内容を変更したか」という業務上の操作履歴と、「電子取引データをどのように保存する必要があるか」は別の論点です。
システムを設計するときは、業務管理と法令対応を混同しないことが重要です。
必要な費用は、単に「FAXをWeb化する」という条件だけでは決まりません。
主に、
などによって変わります。
そのため、最初からシステムの金額だけを比較するよりも、
現在どこに手間がかかり、どこまでをWeb化したいのか
を整理したうえで比較することが重要です。
システムを検討するときは、次の項目を確認してみてください。
該当する項目が多い場合は、インターネットFAXへの変更だけでなく、発注管理そのものをWeb化する余地があります。
ありません。一部の店舗や発注先からWeb化し、FAXと一定期間併用しながら移行する方法もあります。重要なのは、現在の業務を止めずに移行できる方法を設計することです。
複数人が同じExcelを扱っている、店舗ごとにファイルが分かれている、発注後の確認をLINEや電話で行っている、といった場合はWeb化を検討する余地があります。一方、少人数で現在のExcel運用に問題がなければ、無理にシステム化する必要はありません。
現在の発注書は、システム設計の重要な資料になります。ただし、そのまま画面化するのではなく、不要な項目や重複している作業がないかを確認したうえでWeb画面を設計する方が実用的です。
可能です。取引先や一部店舗だけFAXを残し、その他をWebへ移行する運用も考えられます。FAXを完全になくすことよりも、負担の大きい業務をどこまで減らせるかを基準に考える方が現実的です。
まず現在の発注書と業務フローを整理します。必要な機能と独自ルールが分かれば、既製サービスで対応できる範囲と、個別設計が必要な範囲を比較しやすくなります。
FAX発注をWeb化する方法には、
などがあります。
どの方法が適しているかは企業によって異なります。
重要なのはFAXをなくすことだけを目的にせず、
発注 → 確認 → 変更 → 集計 → 履歴管理
まで含めて業務全体を見ることです。
特に複数店舗を運営している場合は、店舗が簡単に発注できることと、本部が全体を確認できることの両方を考える必要があります。
MAVERAでは、既製品に業務を合わせることを前提にせず、現在の業務を整理したうえで、必要な部分をシステム化する考え方を大切にしています。
「FAXをWeb化したいが、何から変えればいいか分からない」という段階であれば、まず現在使用している発注書と、その前後で行っている作業を整理するところから始めてみてください。
自社の業務に合わせたシステム化について相談したい場合は、MAVERAへのお問い合わせからご相談いただけます。